3. 大学入試 小論文
5)大学入試小論文の分類 課題文型と一行問題型 |
他教科とはすべての面で根本的に異なっている小論文試験が,具体的にどのように出題されるのか,最後に大雑把にみておきましょう.
大学入試における小論文の問題は,大きく二つの型に分類できます.一つを「課題文型(小論文)」といい,一つを「一行問題型(小論文)」といいます.
●課題文型小論文〜小論文試験の主流
長文を読み込み,その主題についてあなたの意見を展開する
課題文型小論文というのは,長文を読み込み,その主題についてあなたの意見を展開するといった問題です.「次の文章を読んで,あなたの意見を自由に書きなさい.」等と問うてきます.ただ,ここがポイントですが,この「自由に」というのが曲者で,これは,筆者の意見に賛成でも反対でもいい.さらに一部賛成,一部反対でもいい,という意味で「自由に」という表現を使っているにすぎません.与えられた文章に書いてあることから「自由に」テーマを選んで,それこそ瑣末な具体例について自分の意見を述べる,というのでは点数はもらえないのです.そこには暗黙の了解で,その文章で筆者の最も言いたいこと=主題について,意見を述べるということがあります.これが課題文型小論文を解く上での大前提です.
ピントはずれなテーマ・内容で,いくらいい意見を書いても点数にならない
皆さん,ご承知の通り,難関大学になるほど課題文の内容は難しく,そして分量もありますね.その文章を読み込み,主題をみつけ,その主題について,1200字なり,1800字なりの指定字数内で,多くの場合90分くらいの制限時間の中であなたの意見をまとめなければならないのです.「書く」力が必要なのは当然としても,読む力,しかも,相当高度な論理的読解力が必要であることはお分かりいただけると思います.従って,この型の対策には,書く訓練と同程度に論理的読解力の訓練が必要となります.ピントはずれなテーマ・内容で,いくらいい意見を書いても点数にならないからです.このため,例えば慶應義塾大学では,文系学部は文学部もあわせてすべての学部に国語の試験がないわけですが,小論文の試験を課せば入学後必要な学力をはかるのに十分だ,という判断なのでしょう.
中には課題が文章ではなく,グラフや,図,数字だったり,時には写真だったり,それらが複合的に出題される場合もありますが,与えられた課題を読み込み,その本質について自分の意見を述べるという点では同じですから,このタイプの変形といえます.いわゆる大学入試における「小論文」とは,ほとんどがこのタイプの問題です.3-4)で説明した「東大型」「早稲田型」「慶應型」という三大出題傾向もすべて課題文型小論文の中での分類です.
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2006年度より実施されている慶應義塾大学法学部のFIT入試(AO入試)2次選考での模擬講義をもとにした論述形式試験も3-4)で述べた通り,広い意味でこの型ととらえています. |
●一行問題型小論文〜医療系で多く出される型
一方,一行問題型小論文というのは,「高齢化社会における介護のあり方について述べよ」といったタイプの問題です.これは文章やらグラフやらの課題がありませんから,いきなり自分の意見を展開することができます.当然,対策ももっぱら書く訓練となります.看護・医療系の短大,専門学校等で多く出題されています.
注)紛らわしいので,本稿では下記表記統一します.
※1. 高校の「地歴科」「公民科」→「社会」もしくは「社会科」
※2. 旧国公立大学,国公立大学法人→「国立大学」もしくは「国公立大学」 |
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